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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2013)シンポジウム

セッション 4D  屋外モニタリング
日時: 2013年7月11日(木) 8:45 - 10:25
部屋: 紅葉・大扇
座長: 岩井 将行 (東京電機大学)

4D-1 (時間: 8:45 - 9:05)
題名センサネットワークによるビニールハウス環境センシング
著者*須山 敬之, 納谷 太, 柳沢 豊 (NTTコミュニケーション科学基礎研究所)
Pagepp. 938 - 944
Keywordセンサーネットワーク
Abstract近年,センサネットワーク技術の発達により,実環境でセンサネットワークが用いられる実例が増えている.本論文ではセンサネットワークを農業の現場に長期に渡り設置することで栽培環境の測定を行った結果を報告する.まず我々が開発したセンサノードを花卉を栽培しているビニールハウス内に多数設置し,温度,湿度など栽培環境の情報を集めることで,ビニールハウス内の状況を把握する.その結果と作柄と比較することにより,どのような環境が作柄に影響するかを知ることができる.ここでは人手の比較による考察とクラスタリングによって得られた結果を述べる.

4D-2 (時間: 9:05 - 9:25)
題名太陽光電池パネルのクラウドを利用した異常検知システムの開発
著者*秋山 陽平 (東邦大学大学院理学研究科), 河西 勇二, 岩田 昌也, 高橋 栄一 ((独)産業技術総合研究所情報技術研究部門), 佐藤 文明 (東邦大学大学院理学研究科), 村川 正宏 ((独)産業技術総合研究所情報技術研究部門)
Pagepp. 945 - 952
Keyword異常検知, クラウド, 太陽電池パネル, モニタリング
Abstract太陽光電池パネルの寿命は一般的に20年といわれているが、工業製品である以上一定の確率で故障が発生する。しかし、現状での太陽光発電システムでは、パネル単位での異常を検出することが難しい。そのため、パネルの異常を抱えたまま太陽光発電システムが運用され、期待する発電量に達しないケースが発生している。このため、太陽光電池パネルの価格上昇や通信工事費用増加を招くことのない異常検出システムの研究開発が急務である。これまでに、産業技術総合研究所では直流電力線を利用した独自の電力線通信方式を用いて、パネル毎にデータ通信装置子機を実装し、発電情報の状態モニタリングを可能としている。今回我々は、データ通信装置子機において計測された膨大な発電情報をネットワーク上の仮想データベースであるクラウドサーバ上に集約・蓄積させることで、ブラウザ上でパネル単位での発電状況を逐一観測可能な状態モニタリングと早期に異常を検知する異常検知システムを開発した。さらに、一枚のパネルを遮光することにより擬似的に異常パネルを作成し、開発したシステムを用いて評価実験を行った。

4D-3 (時間: 9:25 - 9:45)
題名ソーラーカーのためのリアルタイム遠隔モニタリングシステム
著者*山田 泰宏, 猪狩 知也, 藤澤 徹, 速水 治夫 (神奈川工科大学大学院)
Pagepp. 953 - 963
Keywordソーラーカー, 電気自動車, Android, Arduino, Ajax
Abstractソーラーカーの走行では効率的な走行を行うための走行管理が重要な要素となる.走行管理に用いることができる従来技術は複数存在するが,扱う情報のユビキタス性が皆無であったり,実装のために多くの車載モジュールを伴うものしか存在しない.そこで本研究では,A/D変換モジュールとそれと通信を行うスマートフォンおよび,クライアント/サーバシステムを用いることにより,それらの欠点を改善したモニタリングシステムを試作し,実験によりその高い有用性を確認した.

4D-4 (時間: 9:45 - 10:05)
題名DTNを用いた災害時通信システム構築法の提案
著者*金田 知展 (公立はこだて未来大学大学院), 中村 嘉隆, 高橋 修 (公立はこだて未来大学)
Pagepp. 964 - 969
Keyword災害時通信, アドホックネットワーク, DTN, メッセージフェリー
Abstract広域災害発生時に停電や物理的なダメージにより通信インフラが使用不可となった際の情報通信手法として,遅延耐性ネットワーク(DTN: Delay Tolerant Network)が注目されている.DTNではスマートフォンのようなバッテリーで稼働する端末を利用してデータの中継・転送を行うことで,インフラレスな状況下においても端末間の情報通信を可能としている.しかし,転送の際にバッファやバッテリーなどの端末資源を消費するため,消費量によっては他端末との通信が不可能となる場合も想定される.災害時には,安否情報や被災状況といった重要性の高い情報が要求されるため,より多くの情報を収集できることが望ましいが,通信可能な端末の減少に従って得られる情報も減少する.そこで本研究では,対象とするネットワーク内における全ての端末のバッテリー残量が可能な限り均等になるように,各端末のバッテリー残量を考慮したデータ転送先の動的な選択を行う通信方式の提案を行い,ネットワーク持続時間を長期化させることを目的とする.

4D-5 (時間: 10:05 - 10:25)
題名船舶航行データ可視化のためのPTAMを用いた位置合わせ手法の提案
著者*岸 晃平 (公立はこだて未来大学大学院 システム情報科学研究科), 白石 陽 (公立はこだて未来大学 システム情報科学部)
Pagepp. 970 - 975
Keyword可視化, AR (Augmented Reality), PTAM (Parallel Tracking and Mapping), AIS (Automatic Identification System), 船舶航行データ
Abstract近年,船舶に様々なセンサが搭載され,船舶の位置や速度,船首の方向等の船舶の航行状況が容易に取得できるようになった.大型船舶や旅客船には,センサからの情報を含めた,航行中の船舶に関する情報(船舶航行データ)を自動的に送受信する船舶自動識別装置(Automatic Identification System:AIS)が搭載されるようになった.このAISにより,さらに容易に船舶航行データを取得できるようになり,AISで共有されるデータ(AISデータ)を可視化して船舶の航行を安全にする支援や海上交通・海難事故の分析に関する研究が行われている.本研究では,対象海域を見渡している観光客や船舶に興味のあるユーザに対して,船舶航行データを提供するためにAISデータを活用する.船舶航行データをユーザに提供する場合,AISデータを直感的に分かりやすく可視化することが有効である.しかし,対象の海域を見渡せる場所から船舶の動向を観測する場合,既存システムでは,直感的かつ分かりやすく可視化することはできない.そこで本研究ではAISデータを,拡張現実感(Augmented Reality: AR)を利用して直感的に可視化するシステムを開発する.ARを利用するにあたって現実世界と仮想物体の位置合わせが必要になる.本研究の対象とする屋外環境下でARを利用する場合,既存のセンサベース手法では正確な位置合わせは困難である.そこで,マーカレスARの一つであるPTAM(Parallel Tracking and Mapping)とセンサを併用した,現実世界へのマーカの設置が不要かつ,船舶と仮想物体との高精度な位置合わせが可能な手法の提案を行う.また,提案手法に用いるPTAMの本研究の対象とする屋外環境における課題を明らかにするために,PTAMの動作実験を行った.さらに,提案手法とセンサベース手法を比較するために,センサベース手法の位置合わせの精度に関する実験を行い,その実験結果の考察を行った.