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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2013)シンポジウム

セッション 5A  統一テーマセッション-スマートITS
日時: 2013年7月11日(木) 10:40 - 12:20
部屋: ハルニレ・アカシア
座長: 重野 寛 (慶應義塾大学)

5A-1 (時間: 10:40 - 11:20)
題名(招待講演) ビッグデータ時代のITS研究 -メガオーダーの走行車両情報の活用-
著者*東野 輝夫 (大阪大学大学院情報科学研究科)
Pagep. 1097
KeywordITS, ビッグデータ, 走行車両情報
Abstractビッグ・データ時代の到来に伴い、数百テラバイトからペタバイト級のデータを効率的に蓄積・分析・リアルタイムフィードバックすることで、社会の安全・安心に寄与するシステムの構築や社会システムの効率化が図られている。ITS 分野においても、メガオーダーの走行車両から得られる移動軌跡情報(プローブデータ)を用いて、高度な渋滞回避や災害時の走行可能道路マップを提示するシステムが開発されている。プローブデータと複数の企業や組織が持つセンシング情報(営業車のドライブレコーダー情報やVICS 情報、街頭カメラ情報、気象情報、IC カード情報、スマートフォンなどから得られる人の往来情報など)を複合的に活用することで、都市全体の人やクルマの動きをより正確に把握することができ、都市のスマート化に寄与する社会システムが構築できるようになる。本講演では、メガオーダーの走行車両情報の活用事例を概説すると共に、ITS 関連のビッグ・データ活用研究の今後の方向性などについて述べる。

5A-2 (時間: 11:20 - 11:40)
題名はこだて圏におけるスマートアクセスビークルシステムの構想と現状
著者*白石 陽 (公立はこだて未来大学システム情報科学部), 中島 秀之, 佐野 渉二 (公立はこだて未来大学), 松原 仁, 平田 圭二 (公立はこだて未来大学システム情報科学部)
Pagepp. 1098 - 1101
Keyword公共交通, フルデマンドシステム, スマートシティ, 交通行動調査
Abstract「スマートシティはこだて」プロジェクトとは,函館圏を対象とした情報通信技術の適用により,街の様々な活動やサービスを有機的なシステムとして統合し,全体として住みやすい便利な街の構築を目指すものである.我々は,まず都市のインフラとして重要な公共交通に焦点を当てる.バスやタクシー等の公共交通機関の運行を集中管理し,他の行政,医療,外食,観光等のサービスを連携させることにより,高効率の交通システム(スマートアクセスビークルシステム:SAVシステム)を実現することを目的としている.従来型のバスやタクシーの区別は消え,すべての車両が中央制御で一括管理される.本プロジェクトでは,これらのバスとタクシーの中間的な存在であり,両者の利点を兼ね備えた車両をスマートアクセスビークル(Smart Access Vehicle:SAV)と呼ぶ.交通システムが路線バスからフルデマンド方式のSAVシステムに変わることによって,市民の行動パターンも変わることが予測される.現在,我々は,GPS を内蔵したスマートフォンを各世代や職業の代表例的な被験者に持ってもらい,ある程度長期にわたる交通行動調査を進めている.

5A-3 (時間: 11:40 - 12:00)
題名カーシェアリングに基づいたEVの効率的運用スケジューリング
著者*上田 知幸 (奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科), 孫 為華 (大阪大学 サイバーメディアセンター), 柴田 直樹, 伊藤 実 (奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科)
Pagepp. 1102 - 1110
Keyword電気自動車, カーシェアリング, スケジューリング
Abstract近年,環境問題対策として電気自動車(EV)が注目されている.EVは環境負荷の少ない自動車だが,ガソリン車に比べ航続距離が短く,充電時間が長いという欠点がある.本研究ではカーシェアリングの仕組みを利用し,多数のユーザがEVを共同利用する環境で,EVを効率的に運用するスケジューリング手法を提案する.ユーザは,電力残量の少ないEVの乗換・充電を繰り返し,EVによる長距離移動が可能である.提案システムは,ユーザスケジュール算出部と配車スケジュール算出部で構成される.ユーザスケジュール算出部は,ユーザ入力に対し最も満足度(希望通り巡回できたか示す指標)の高い巡回経路,行動(EV乗換・充電)を含むスケジュールを算出し,配車スケジュール算出部では,目的地毎のEV台数を調整するため,各EVが時刻毎に配置される目的地を決定する.また,地図データに劣化係数を定義し渋滞が移動時間や航続距離に与える影響を考慮する.提案手法の有効性を確認するためシミュレータを実装し,ユーザに対して実用的な計算時間でスケジュールを算出ができるか,また前述の満足度を一定以上確保できるか評価する.