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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2013)シンポジウム

セッション 5D  生体計測システム
日時: 2013年7月11日(木) 10:40 - 12:20
部屋: 紅葉・大扇
座長: 藤波 香織 (東京農工大学)

5D-1 (時間: 10:40 - 11:00)
題名荷重センサを用いた机上動作の認識システムの設計と実装
著者*今井 淳南, 村尾 和哉 (神戸大学大学院工学研究科), 寺田 努 (神戸大学大学院工学研究科/科学技術振興機構さきがけ), 塚本 昌彦 (神戸大学大学院工学研究科)
Pagepp. 1180 - 1187
Keyword動作認識, 物体認識, 荷重センサ, 机
Abstractマイクロエレクトロニクス技術の発展によるコンピュータの小型化や高性能化,軽量化に伴い,センサを用いてユーザの行動を認識するシステムが数多く提案されている.家庭内ではユーザが常時センサを身につけることは難しいため,天井や壁,床,家具,家電など環境にセンサを設置するアプローチが一般的である.その中でもダイニングテーブルなど机の上にはさまざまな日常動作が集中しており,これらの行動を認識することで家庭内での行動記録や動作に合わせた周辺機器の制御が行える.ユーザの机上での動作を認識する手法としては,カメラによる画像認識を応用したものが提案されているが,家庭内にカメラを導入することはユーザのプライバシ保護の観点から望ましくない.また,感圧センサや電極を机上面全体に設置するシステムが提案されているが,センサを大量に用いて机を加工する必要があり,一般家庭への導入は設置コスト面から難しい.本研究では,机の四隅に荷重センサを設置し,荷重データから机上動作を認識するシステムを提案する.取得する情報は荷重データのみで,机上での動作以外の行動の推定は困難であり,ユーザのプライバシに配慮している.評価実験から,物体の机上面への追加において物体の重量を誤差約0.07kg,位置を誤差約7cmで検出し,動作認識において布巾掛けが64.2%,ノートパソコンの操作が59.2%,筆記動作が67.4%の再現率が得られた.

5D-2 (時間: 11:00 - 11:20)
題名座位状態での心拍測定を用いたリアルタイムなストレス緩和システム
著者*佐久間 大輝, 神田 尚子, 吉見 真聡, 吉永 努, 入江 英嗣 (電気通信大学院情報システム研究科情報ネットワークシステム学専攻)
Pagepp. 1188 - 1195
Keyword心拍変動, フィードバックシステム, ウェーブレット変換
AbstractPCや携帯端末といったVDT機器の普及により、長時間座ってVDT作業を行う状況が増えている。 それらの作業を過度に連続して行うと頭痛、肩こり、イライラ感などが発生し、効率や健康に悪影響を与えることが知られている。これらの蓄積にいち早くユーザが気づくことは難しい。このようなユーザの気づきにくい微妙な体調・心理状態について、例えばストレス状態を心拍変動解析によって推定するような研究が行われている。心拍に関して取得センサの小型化、実時間での解析手法、ストレスを数値化し可視化する研究が行われているが、まだその利用は一般的には浸透していない。小型軽量化した最新のセンサデバイスを用いて心拍変動を常時モニタリング・解析し、ストレス緩和のタイミングをユーザに示唆することができれば、現代社会に有効なライフサポートとなり、健康・仕事効率ともに増進できる。そこで、本論文ではストレス解析アルゴリズムとユーザ通知システムについて提案を行い、その効果を評価する。 実験結果から、ストレスをユーザに可視化し通知することでしないときと比べ、ストレスが減少傾向をとることがわかった。

5D-3 (時間: 11:20 - 11:40)
題名ベッドセンサにおける生体信号分離手法
著者*廣中 遼 (九州工業大学大学院先端機能システム工学専攻), 西田 健 (九州工業大学大学院工学研究院機械知能工学研究系), 井上 創造 (九州工業大学大学院工学研究院基礎科学研究系)
Pagepp. 1196 - 1200
Keywordベッドセンサ, 生体信号, 信号処理
Abstract本研究はベッド上の空気マットの空気圧を測るベッドセンサの信号から,生体信号(心拍数,呼吸数)を分離することを目的としている. バンドパスフィルタを用いる既存手法は,生体信号があらかじめ設定された周波数帯域を外れてしまうと,正確な計測をすることができない. この問題に対して, 我々はベッドセンサからの信号にカルマンフィルタを適用し、計測可能な周波数帯域を動的に変化させる手法を用いて生体信号の分離を試みた.本稿ではカルマンフィルタを用いる方法を2 つ提案している.1 つ目の手法は,動的に推定周波数帯域を変化させる方法,2 つ目は混合正規分布クラスタリングによる方法である.様々に変化する呼吸数の計測を目標とし,それぞれの手法で生体信号計測を試み,周波数の変化に対応できる ことを確認した.

5D-4 (時間: 11:40 - 12:00)
題名視線推定の頭部自由化のための距離画像を利用した頭部姿勢推定
著者*高田 憲一, 北須賀 輝明, 有次 正義 (熊本大学大学院 自然科学研究科)
Pagepp. 1201 - 1206
Keyword頭部姿勢推定, サポートベクター回帰, Kinect for Windows
Abstract本稿では頭部の姿勢を固定しない視線推定のための距離画像を用いた頭部姿勢の推定方法を提案する. 提案手法はハードウェアとしてKinect for Windowsを使用し,距離画像の中から鼻の位置を追跡しながら,その鼻の位置を基準として頭部姿勢を推定する. 鼻の位置を追跡するための特徴は,簡単な処理により現れ,顔の向きが変わっても現れる. 距離動画像を使用するため,カラー画像ではわからないカメラからの距離がピクセルごとにわかり,照明条件による色の変化がないといったメリットがある. また,提案手法による頭部姿勢の推定では機械学習を用いないので学習データを必要としない. 推定した結果として,頭部の垂直方向での回転角度は平均で約3.5度,水平方向の回転角度は平均で約1.65度の誤差となった. また,頭部を固定した状態での視線推定では誤差は約2度となった.

5D-5 (時間: 12:00 - 12:20)
題名動画像と加速度データを用いた行動類似度評価システムMimicMotionの開発と評価
著者*右田 尚人, 服部 祐一, 田中 翔太 (九州工業大学大学院先端機能システム工学専攻), 井上 創造 (九州工業大学)
Pagepp. 1207 - 1216
Keywordスマートフォン, 3軸加速度センサ, ソーシャルwebサービス, 行動認識, 動画像共有
Abstract本研究では,人間の行動解析のために必要な多くの行動情報を集める目的で開発した,行動類似度評価システムMimicMotionについて述べる.MimicMotionでは,ユーザが行った行動の3軸加速度データと,動画像から成るコンテンツをWebサイトで共有できる.また,ユーザ同士が収集した3軸加速度データが,どの程度一致しているのかを表した類似度を評価できる.これらにより,多くのユーザの利用につながり,多くの行動情報の収集につながると期待できる.また,開発したシステムが,正しく類似度を判定できるのか調べるために,評価実験を行った.実験では,動かす部位と,動きの激しさに注目して,6種類のコンテンツを作成し,その点数分布に偏りがないか調べた.実験の結果は,コンテンツ全体の点数分布は,偏りが少なく,正しく類似度を判定できていることがわかった.ただ,コンテンツ別に見ると,動きの激しさの違いで平均点に差があった.この結果を基に,行動の種類別に点数調整を行った.その結果,コンテンツの動きの激しさの違いによる平均点の差を少なくすることができた.