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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2013)シンポジウム

セッション 6B  位置情報システム2
日時: 2013年7月11日(木) 14:30 - 16:10
部屋: 柏・ポプラ
座長: 鈴木 秀和 (名城大学)

6B-1 (時間: 14:30 - 14:50)
題名学生の行動モデルを活用した通学支援システムの検討
著者*大植 達也 (神奈川工科大学情報工学科), 北上 眞二 (三菱電機(株)), 清原 良三 (神奈川工科大学情報工学科)
Pagepp. 1395 - 1404
Keyword位置情報, 携帯端末, サービス, 予約システム
Abstractイベント会場やバスターミナルなどのバス停で発生し,乗り場の周辺施設やその施設の利用者に迷惑をかける「集中混雑」,その問題を携帯電話を利用している人たちから得られる位置情報を利用し緩和する通学支援システムを提案する.本論文のシステムではバス利用者の中でも着席を希望する利用者に焦点をあて,着席することが可能かどうかの情報を提供する.バスに乗るためにバスを待つという「時間」を担保にして着席するという構図の「時間」を 携帯電話から提供される「情報」に置き換えることが出来れば,「集中混雑」を緩和し周辺施設,その利用者などへの迷惑を軽減することが出来る.本論文では,バスの可視化を行う通学支援システムの全体アーキテクチャを示し,シミュレーションを用いて実験し,その効果を評価した.その結果,ピーク時の学生の数が68%,待ち時間が24%改善することが分かった.

6B-2 (時間: 14:50 - 15:10)
題名POI情報統合プラットフォームの提案
著者*一円 真治, 梶 克彦, 河口 信夫 (名古屋大学工学部 工学研究科)
Pagepp. 1405 - 1412
Keyword位置情報, POI, プラットフォーム
Abstractスマートフォンといった GPS 機能を搭載したデバイスの普及により,ユーザの位置情報に応じて, 飲食店やホテルなどの POI(Point Of Interest) の情報を提供する位置情報サービスが多数提供されている. 位置情報サービスには,ユーザが欲しい情報を個別のサービスからは網羅的に取得できない,取得でき る POI の属性情報が各サービスによって異なるなどの未解決な課題が存在する.また,ユーザが屋内に 位置する場合,自動販売機やロッカーなどの POI をフロアマップや Web ページから網羅的に知ることが できない問題がある.本研究では以上の課題,問題点を解決するために,POI の情報統合を行うプラット フォームを提案する.統合情報は Linked Data として利用するために,RDF で出力可能とする.また,同 一の POI に関して情報統合を行うために,POI の住所・電話番号・名前情報を用いた同定手法を提案す る.提案する同定手法には,POI 検索判定と名前文字列判定があり,判定する POI に応じて 2 つの同定 手法を使い分けることが効率的なことを確認するため,評価実験を行った.結果,適合率:1.0,再現率: 0.91 であった.

6B-3 (時間: 15:10 - 15:30)
題名建物内移動情報の部分マッチングに基づく建物構造生成
著者*梶 克彦, 渡辺 穂高, 坂 涼司, 河口 信夫 (名古屋大学大学院工学研究科)
Pagepp. 1413 - 1420
Keyword屋内位置情報, センサ, 無線LAN, スマートフォン, 行動認識
Abstract多人数の建物内移動の情報をウェアラブルセンサによって収集し,それに基づい て建物のネットワーク構造を生成する手法を提案する.提案手法は一般的なスマー トフォンで獲得可能な情報のみを用いる.実環境において,人は様々な地点から 地点へ移動する.始点・終点・経路の組合せのバリエーションは多く存在する. 複数の経路の中には,共通する部分が存在する.このような共通部分を推定し, 共通部分を手がかりとして複数の経路同士を統合していく.共通部分の推定には, 加速度・角速度センサ情報から推定される右左折ノード,行動の種類,リンク長 に加え,無線LAN情報を用いる.まずノードの種類(右折・左折)の並びが一致す る部分を抽出し,その共通部分の候補に対し,無線LANの類似度,行動の種類,リ ンク長の情報を用いて絞り込みを行う.評価実験として,名古屋大学の3つの隣 接する建物を対象とし,40人の建物内移動データを収集し,そのデータを使用して 建物ネットワーク構造を生成した.

6B-4 (時間: 15:30 - 15:50)
題名空間依存情報を用いた場所ベース認証方式
著者*蜂谷 達郎, 萬代 雅希 (上智大学)
Pagepp. 1421 - 1427
Keyword無線LAN, スマートフォン, 認証
Abstract本論文では空間依存情報を用いた認証システム(SmartLocAuth)を提案する.SmartLocAuthでは,特定の場所における空間依存情報を利用することにより場所ベースの認証を行う.空間依存情報とは場所に依存する情報であり,無線LANのアクセスポイントからのService Set Identifier(SSID)や環境音などが挙げられる.従来の場所ベースの認証ではGlobal-Positioning System(GPS)を用いるのが一般的だが,SmartLocAuthではGPSを用いないため,GPSでは正確な位置情報が取得できない屋内でも利用できる.更にGPSを搭載していない機器でも利用可能である.本論文では空間依存情報としてSSIDを用い,SmartLocAuthをAndroid OS 4.0のGalaxy Nexusに実装し,登録時間と認証距離を評価をする. 評価の結果,認証に成功する範囲は登録地点から5m以内で限定でき,SmartLocAuthが認証方式として有効であることを確認する.

6B-5 (時間: 15:50 - 16:10)
題名無線LAN位置推定におけるプライバシ保護
著者*彭 作涛, 梶 克彦, 河口 信夫 (名古屋大学大学院工学研究科)
Pagepp. 1428 - 1435
Keyword無線LAN, 位置推定, 信頼性, プライバシ, 保護
Abstract近年,無線LAN位置推定サービスの利用が広がると共に,位置情報プライバシ侵害の問題が指摘されている.既存の無線LAN位置推定サービスでは,ユーザの移動履歴,位置情報などが不正に取得され,個人のプライバシが侵害される可能性がある.本研究では無線LAN 位置推定におけるプライバシの問題を解決する手法として,空間的な確からしさと時間的な確からしさを考慮したユーザの信頼性判定アルゴリズムを提案する.さらに,我々は無線LANを用いた位置情報・測位に関するポータルLocky.jpを運営している.Locky.jpのデータベースに格納された基地局の観測データを対象とし,本手法を検証する.