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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2013)シンポジウム

セッション 6D  行動認識応用
日時: 2013年7月11日(木) 14:30 - 16:10
部屋: 紅葉・大扇
座長: 寺田 努 (神戸大学)

6D-1 (時間: 14:30 - 14:50)
題名目標達成型HEMSのための在室予測と環境依存型家電の需要度の導出
著者市川 昌宏, 向井 政貴 (立命館大学大学院 理工学研究科), 安積 卓也, *西尾 信彦 (立命館大学 情報理工学部)
Pagepp. 1457 - 1466
KeywordHEMS, 機械学習, ベイズ推定法, 行動分析
Abstract近年の省電力化への要求の高まりから,家庭内でのエネルギーの需要と供給を管理するHEMS が注 目されている.我々は,特にユーザが省電力目標を達成するためのアドバイスを提示できるHEMS(目標 達成型HEMS)の構築を目標としている.今回,目標達成型HEMS を実現するための構成要素である需 要度の導出と在室予測について述べる.在室予測では,パラメトリックベイズ法を用いてn 人m 部屋の場 合の家庭の生活パターンモデルを抽出する.さらに,パラメトリックベイズ法によって抽出された各々の 生活パターンモデルとリアルタイムに観測された値を用いて,24 時間先までの各部屋の在室予測を行う. 評価では,抽出した生活パターンモデルの妥当性と2 人2 部屋における在室予測精度の評価を行なった. その結果,モデルの妥当性は,2 人2 部屋の場合において76.8%,片方の部屋に着目した場合は平均88. 85%となった.在室予測では,2 人2 部屋の場合において平均75.2%,片方の部屋に着目した場合は平均 81.8%となり,一定の評価を得た..需要度の導出では,ユーザが家電に対して感じる需要の数値化を行 う.需要を数値化する際に,ユーザに手動入力してもらうことはユーザに負担を強いることになるため, ユーザによる入力が不要であることが望ましい.また,ユーザによって嗜好が異なるため,ユーザに応じ た需要度の導出が必要となる.本論文では,ユーザの家庭に設置した環境センサや電力センサの情報から, 指数分布の確率密度関数を用いて自動的にユーザに応じた需要度を導出する手法を提案する.その結果, 導出した需要度から推定した行動と実際の行動は約69 %で一致し,一定の評価を得た.

6D-2 (時間: 14:50 - 15:10)
題名視野と手先移動に基づく工学実験の技能評価の検証
著者*比嘉 健太郎 (豊橋技術科学大学), 小池 直 (東京工業高等専門学校), 大村 廉 (豊橋技術科学大学), 野口 健太郎 (東京工業高等専門学校), 神里 志穂子 (沖縄工業高等専門学校)
Pagepp. 1467 - 1474
Keyword技能評価, 工学実験, 視野と手先の移動
Abstract日本のモノづくり産業において,職人の技能を伝承していくことが重要である. この問題に対し,工場等の生産現場では生産管理手法を取り入れることにより作業者の能力評価と作業全体の改善を図っているが, 工学系の教育機関で行なわれている工学実験授業において直接的な能力評価は行なわれていない. 本研究は,工学実験を行う実験者の動作に着目して,学生の実験技能を定量的に評価する手法を提案する. 次に我々は,実験者の技能を評価するシステムの構築を行う. これは,実験者の視野移動と手先移動を赤外線LEDおよび赤外線センサによって検出し,タブレット端末へとその動作をデータとして記録するものである. 実験者の技能の評価値は,これらのデータを用いて得られる.実際に工学実験を行い,技能評価手法の妥当性を示し,システムによる評価手法の検証を行った.

6D-3 (時間: 15:10 - 15:30)
題名相対座標を用いた運動指導システム
著者*黒田 修平, 放地 宏佳, 吉見 真聡, 吉永 努, 入江 英嗣 (電気通信大学大学院情報システム学研究科)
Pagepp. 1475 - 1482
KeywordKinect, 運動, 指導, ラジオ体操, ダンス
Abstract人が新しく運動を学ぼうとする際,自分だけで正しいフォームを習熟するのは困難である.そこで本研究では,人間の関節座標を取得可能なデバイスによりユーザの運動の流れを検出し,自動的に運動の正しさを判定して指導するシステムを開発する.システムに人間の運動を認識させるために,相対チェックポイントを用いる.これは正しい運動を行う上で関節座標がとるべき相対的な位置関係を表しており,それが連続で達成されることで正しい運動が達成されたか否かを判定する.本論文では運動の例としてラジオ体操を用いる.ラジオ体操には体の伸び,ひねり,反らしの他,リズムよく運動することが求められる.そこで提案手法はユーザにラジオ体操の音楽に合わせて運動を行わせ,もしユーザが相対チェックポイント群を制限時間以内に達成できなければ,運動をやり直させる.こうしてユーザが運動を達成可能になるまで指導し,正しい運動の習得を促す.本システムにて人々に練習をさせた結果,7名中6名がチェックポイント達成率を運動の練習前と比較して向上させることができるようになった.

6D-4 (時間: 15:30 - 15:50)
題名スマートフォンにおける歩行ながら状態検出手法の提案
著者*岡本 幸大, 鷲見 海王, 槙田 喬介, 中野 倫明, 渡邊 晃, 山田 宗男 (名城大学大学院理工学研究科)
Pagepp. 1483 - 1486
Keywordスマートフォン, 顔検出, 加速度センサ, タッチイベント情報検出
Abstract近年,スマートフォンの急速な普及に伴い,スマートフォンを操作しながらの歩行や自転車・自動車の運転などが急増している.この「ながら状態」は,スマートフォンの操作および画面の注視によって周囲環境の認識および注意を著しく低下させるため,鉄道ホームからの転落や人・物との衝突など,重大な事故を引き起こす原因となっており,社会な問題になりつつある.本検討では,スマートフォンに搭載されているインカメラから取得した顔画像や加速度センサによって,スマートフォンの操作状態および歩行状態を検出することで,ながら状態をリアルタイムに検出可能な手法について提案・検討する.

6D-5 (時間: 15:50 - 16:10)
題名スマートフォンを用いた運転支援システム開発の検討 -運転挙動弁別可能性の検討-
著者*鷲見 海王, 岡本 幸大, 鈴木 麻里, 渡邊 晃, 中野 倫明, 山田 宗男 (名城大学)
Pagepp. 1487 - 1490
Keywordスマートフォン, TLIFES, 運転パフォーマンス評価
Abstract近年,小型で軽量ながらも高度な機能を有するスマートフォンが急速に普及している.スマートフォンには,GPS,加速度,角速度などの高精度なセンサが搭載されており,通信機能にとどまらず,センシングデバイスとしての活用も可能である.本研究は,スマートフォンに搭載されているこれらのセンサを用いて,自動車の運転挙動およびドライバの運転パフォーマンスを検出・評価し,自身の運転能力を自覚させることで事故を未然に防ぐことが可能なシステムの検討を行うものであり,安価で簡便な車載システムの実現を目指す.本稿では,GPS,および角速度センサの情報に基づいて,運転パフォーマンスの評価に不可欠な停発車,右左折,直進などの各種運転挙動を弁別可能な手法について検討を行うと共に,実車両による検証実験の結果について示す.