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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2013)シンポジウム

セッション 6E  車両間情報共有
日時: 2013年7月11日(木) 14:30 - 16:10
部屋: 銀鱗
座長: 田坂 和之 (KDDI研究所)

6E-1 (時間: 14:30 - 14:50)
題名車両の移動予測モデルに基づく通信コスト最適な車両間情報共有システム
著者*安達 佳明 (大阪大学 大学院情報科学研究科 モバイルコンピューティング講座), 梅津 高朗 (滋賀大学 経済学部 情報管理学科), 山口 弘純, 東野 輝夫 (大阪大学 大学院情報科学研究科 モバイルコンピューティング講座)
Pagepp. 1491 - 1502
KeywordITS, リアルタイム, 車車間通信, 携帯電話通信, 道路交通情報
Abstract本論文では,車載カメラ等から生成されるリアルタイムでサイズの大きい映像・画像コンテンツを車両間で共有するシステムとプロトコルを提案する.提案システムはクラウドサーバと,車車間通信・携帯電話通信およびカメラを備えた車載器を搭載した車両群からなる.クラウドサーバはそれらの車両群が生成・保持するコンテンツのインデックス(生成位置と生成時間)を把握し,それらのコンテンツを必要とすると予想される車両群に対し,取得すべきコンテンツとその取得通信方法(携帯通信網あるいは車車間通信網)および取得タイミングを指示する. この際,クラウドサーバはコンテンツインデックスと同時に集約した車両の位置情報から車両の確率的な移動予測を行い,携帯電話網と比較して低コストで高速な車車間通信がなるべく活用されるよう取得方法を決定する.市街地を想定したシミュレーションのシナリオにおいて提案システムを評価し,車載器装備率が5%程度の環境においても,携帯電話網のみを利用した場合と比較し15%の通信量削減を達成できることを示した.

6E-2 (時間: 14:50 - 15:10)
題名車車間通信を利用した局地的交通情報の共有方式に関する一考察
著者*吉川 潤, 齋藤 淑, 小花 貞夫 (電気通信大学大学院情報理工学研究科)
Pagepp. 1503 - 1509
KeywordITS, 車車間通信, アドホックネットワーク
Abstractドライバが道路や交通の状況に応じて走行できるように,車車間通信により渋滞や事故,路面状態など性質の異なる様々な局地的な交通情報を周辺車両で効率的に配布することによって運転中の快適性や安全性の向上を目的とし,交通情報を多くの車両間で共有するための方式を提案する.本方式は,交通情報の種類ごとに異なる配布距離および配布方向の制御により,高トラヒック時の冗長な通信を削減することを特徴とする.一般道での交通状況を模したシミュレーションにより,本方式の性能評価を行い,情報生成頻度が高い場合での情報拡散率,通信トラヒックの削減等の観点から有効性を示した.提案方式によって,拡散率は方向制御を行わない方式(比較方式1)から14%,範囲制御を行わない方式(比較方式2)から204%の向上し,総送信回数では,比較方式1から38.0%〜82.6%,比較方式2から55.6%〜94.0%の送信回数を削減できた.

6E-3 (時間: 15:10 - 15:30)
題名LTEと車車間通信を用いて情報配信の安定性を高めるNAviシステムの提案
著者*勝田 将太 (千葉工業大学), 鈴木 勘久郎 (株式会社インターネットイニシアティブ), 屋代 智之 (千葉工業大学)
Pagepp. 1510 - 1516
KeywordITS, モバイルネットワーク, 無線・移動体, モバイルエージェント, 車車間通信
Abstract車車間通信を利用した一種のモバイルエージェントであるNA(Nomadic Agent) を仮想インフラとして利用し,交通情報の収集と配信にCAF(Carry and Forward) と車車間通信を用いたNAvi(NA for vehicleinformation) システム(CAF 方式) を提案している.しかし,CAF 方式は道路環境の変化により性能が安定しないことが問題点として分かった.そこで,本研究ではNAvi システムにLTE(LongTerm Evolution) を併用して,収集した情報をサーバにアップロードし,サーバに交通情報の蓄積を行う. しかし,一度に多数のアクセスが行われた場合,帯域の不足が発生してしまう場合が考えられる.そこで,NAvi 周辺の車両台数によって,LTE とCAF を使い分ける限定LTE 方式と,周辺の車両台数にかかわらず,サーバに蓄積された交通情報を利用するLTE 方式の提案を行い,シミュレーションにより評価する.

6E-4 (時間: 15:30 - 15:50)
題名BikeInformatics:情報科学的二輪車ITSの基盤研究
著者*木谷 友哉 (静岡大学)
Pagepp. 1517 - 1524
KeywordITS, 行動センシング, スマートフォン, 交通安全支援, 二輪車
Abstract本稿では,車載されたスマートフォンを用いて,交通の効率化や安全につながる情報をセンシングしそれを利活用するための基盤技術の研究について,そのコンセプトを紹介する. 提案する基盤技術は,主に二輪車に車載されることを想定し,以下の3つの技術から構成される: (1)スマートフォンのセンサから信頼できるセンシングデータを取り出す技術, (2)そのデータから車両が置かれている状況や運転者の意図などの意味情報を抽出する技術, (3)誰もがそのセンシングデータまたは抽出された意味情報を利用して新しいITSサービスを創出できるようにするためのサービス開発用ライブラリやAPIの提供. 本稿では,特に(1)に関する技術の開発について,現在までの研究成果から,解決すべき課題と今後の展望を述べる.