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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2013)シンポジウム

セッション 7H  ネットワークプロトコル
日時: 2013年7月12日(金) 8:55 - 10:15
部屋: エトワール
座長: 孫 為華 (大阪大学)

7H-1 (時間: 8:55 - 9:15)
題名省電力APを用いたクラスタ分割型無線LANメッシュネットワークの提案
著者*松田 祐輝, 阪田 史郎, 小室 信喜 (千葉大学大学院 融合科学研究科)
Pagepp. 1775 - 1779
KeywordIEEE802.11, 無線LANメッシュネットワーク, 経路制御, 省電力, クラスタリング
AbstractIEEE802.11に準拠した無線LANのアクセスポイント (AP)の省電力化を目的としたRadio-On-Demand Networks(ROD)が提案されている. しかし,無線LANメッシュネットワークのように複数のROD APによりネットワークが構築されている場合,それぞれのAPが非同期に間欠動作することが考えられる. この場合,経路の維持や構築のために起動するAPが増加することで,消費電力が増大し,遅延が増大するという課題がある. 本稿では,無線LANメッシュネットワークにおいて,クラスタリングとAPの制御によりデータを送受信するときの消費電力と遅延を削減する方式を提案する. シミュレーション評価により,低消費電力かつ低遅延で通信が可能であることを示す.

7H-2 (時間: 9:15 - 9:35)
題名無線ネットワークにおけるフロー特性を考慮したQoS制御方式の実装評価
著者*赤石 健一 (公立はこだて未来大学大学院 システム情報科学研究科), 中村 嘉隆, 高橋 修 (公立はこだて未来大学)
Pagepp. 1780 - 1787
Keyword無線LAN, QoS制御, マルチメディアシステム, IEEE802.11e, EDCA
AbstractIEEE802.11eEDCAでは,4つの優先度でパケットを区別し,アクセスカテゴリに分け,パケットを優先的に送信することによりQoS制御を実現する.しかし,高優先度内でトラフィックが増大すると通信品質が劣化するという問題がある.これは,トラフィックが増大することによりネットワークが輻輳し,パケットロスが発生しやすくなるためである.本研究では,トラフィックの負荷が高い場合においてQoS保証を実現する方式について検討する.トラフィックが増大し,負荷が高くなった時にアクセスカテゴリの送信キューの使用率に応じた資源の割り当てによってキューの大きさを動的に変更することによって実現する.シミュレーション評価により提案するQoS制御方式の有効性を示す.

7H-3 (時間: 9:35 - 9:55)
題名高効率なネットワークプロトコル処理方式の検討と開発
著者*仲川 和志, 横井 伸浩, 高谷 幸宏 (日立製作所), 飯泉 謙 (日立ハイテクノロジーズ)
Pagepp. 1788 - 1793
KeywordTCP/IP, プロトコル処理, 並列処理, マルチコア
Abstract近年,プロセッサの進化は,1チップに搭載するプロセッサ数を増やすマルチコア化へと向かっており,今後もコア数の増加が見込まれている.このようなマルチコアを活用してサーバ等のシステム性能向上を達成するには,ボトルネックとなり得るネットワーク処理の高速化が必要である.本稿では,コア数の増加に見合ったネットワーク性能向上を目的として,高効率なネットワークプロトコル処理方式を提案する.TCP/IPのようなコネクション型のプロトコルでは,同一コネクションのパケットを単純に並列処理できないため,従来技術の多くは1パケットの処理時間を短縮する方向で高速化を実現している.提案方式では,連続受信パケット処理における並列化可能な処理と並列化できない順序処理をそれぞれ別モジュールで処理して効率的に処理する.さらに,本報告では,提案方式をFPGA (Field-Programmable Gate Array)で構成したネットワークオフロードエンジンに実装し,実機評価を行った.実機評価の結果,一般的な通信状況においても,理論性能9.3Gbps超に対して単一コネクションで8.6Gbpsの並列処理を実現可能なことを確認した.