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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2014)シンポジウム

セッション 2B  ITSと情報配信
日時: 2014年7月9日(水) 15:20 - 17:00
部屋: 安土・桃山
座長: 木谷 友哉 (静岡大学)

2B-1 (時間: 15:20 - 15:40)
題名近接車両間協調動作に基づくセルラネットワークを用いた低サーバ負荷の車載カメラ画像提供手法
著者*松本 克也, 伊藤 亮輔 (静岡大学 大学院 工学研究科 数理システム工学専攻 石原研究室), 石原 進 (静岡大学 大学院 工学研究科 数理システム工学専攻)
Pagepp. 278 - 285
KeywordITS, カーナビゲーション, 車車間通信, 情報配信, セルラーネットワーク
Abstract車のドライバーは,進行予定経路上の混雑具合や事故情報などの道路情報を得ることで,現在の道路 状況に応じた運転動作をしやすくなる.筆者らは,ドライバーの望む場所で撮影された画像をドライバー に提供することで,経路選択や快適な運転を支援することを目的としたリアルタイム画像カーナビシステ ムの開発に取り組んでいる.本論文では,VANET とセルラ網を併用し,ドライバーに対し興味のある地 点(Point Of Interest: POI) の画像を提供することで,セルラ網のみを用いた場合よりもサーバにかかる 負荷を削減しシステムのスケーラビリティを向上させる手法を提案する.提案手法は,ドライバーの欲す る画像を選出するための索引情報の収集を,車車間通信を用いた近接車両間での情報交換を利用して宛先 位置付近にいる車両に行わせることで,サーバが収集する情報量を減らし,システムのスケーラビリティ を向上させる.シミュレーションの結果,提案手法は,全車両が撮影した画像の索引情報を定期的にサー バに送信し,サーバが索引情報を基に画像を選出する方式と比べ,低トラフィックでドライバーに画像を 提供できることが確認できた.

2B-2 (時間: 15:40 - 16:00)
題名位置情報利用プロトコル(GeoNetworking)による車両情報配信の効率化
著者*多田 正範, 松本 江里加 (同志社大学大学院理工学研究科), 島田 秀輝 (同志社大学研究開発推進機構), 佐藤 健哉 (同志社大学大学院理工学研究科)
Pagepp. 286 - 293
KeywordITS, 車車間通信, GeoNetworking
Abstract運転時における安全性,快適性の向上を目的とした高度交通システム(ITS : Intelligent Transport Systems) の研究が進められている.中でも,車両同士が相互に通信を行う車車間通信システムはインフラ設備を必要しないネットワーク形態として注目を浴び,車車間通信を利用した多数のアプリケーションが登場することが予想される.車車間通信を利用したアプリケーションの一つに,各車両の衝突防止を目的とした安全運転支援アプリケーションが挙げられる.安全運転支援アプリケーションでは周辺車両との情報(位置情報,速度など) 共有が必要不可欠である.また,状況に応じて直接通信できない領域に存在する車両と通信する場合も考えられ,中継車両を効率良く選択するルーティングプロトコルが必要である.本研究では,安全運転支援アプリケーションのような緊急性の高いアプリケーションにおいても利用することを想定し,直接通信できない領域に存在する車両であっても定期的かつリアルタイムに車両情報を配信する手法を提案する.シミュレータ評価により,従来手法と比較して送受信パケット数と遅延時間の削減を確認できた.

2B-3 (時間: 16:00 - 16:20)
題名ユーザによる案内情報の付与とそれに基づくモバイル音声道案内システム
著者*柳 倫浩, 山本 大介, 高橋 直久 (名古屋工業大学大学院工学研究科)
Pagepp. 294 - 300
Keyword音声対話, 道案内, MMDAgent, モバイルアプリケーション, データベース
Abstract従来、我々は、管理者が入力した地図情報に基づいて案内文を自動生成し、それに基づくモバイル音声道案内システムを提案してきた.しかしながら,音声のみでは必ずしも分かりやすい案内を実現することは出来ず、また、全ての経路について管理者が詳細な案内情報を入力することは人的コストが大きくなるという問題点があった。そこで、本稿では,ユーザによる案内情報が付与可能なモバイル音声道案内システムを提案する.具体的には、案内場所に詳しい任意の複数のユーザに、スマートフォンを用いて写真やランドマークなどを含む案内情報を付与してもらう仕組みを実現することで,より多くの詳細な案内情報を収集する。 また、ランドマークは眺める位置により見え方が異なるため、ノード・ランドマークモデルを採用することにより、任意の視点(交差点・曲がり角)から適切な案内を実現する。 さらに、収集された案内情報に基づいて,音声だけでなく画像等も用いたより分かりやすいモバイル音声道案内を実現した。 提案システムを試作し,評価実験を行った.

2B-4 (時間: 16:20 - 16:40)
題名マルチアイテム環境におけるコールドデータの効率的提供手法の提案
著者*油田 健太郎 (大分工業高等専門学校), 山場 久昭 (宮崎大学), 朴 美娘 (神奈川工科大学), 岡崎 直宣 (宮崎大学)
Pagepp. 301 - 308
KeywordITS, V2I, CQS, RXW
Abstract今日,車両を運転する様々な場面での事故や渋滞の軽減,またサービスアナウンス等の運転支援システムを目的にしたITS(高度道路交通システム)が注目されている.本論文では,路車間通信(V2I:Vehicle-to-Infrastructure)に着目し,路上に設置された無線端末のRSU(Road Side Unit)と車両が通信を行うシステムについて検討する.システムでは,予め路上に設置されているRSUにサーバから転送されたデータを蓄積し,車両がRSUの通信範囲に入った時にその情報を車両が要求するためにクエリを生成し,送信する.クエリにはシングルアイテムクエリとマルチアイテムクエリの2種類あり,前者は一つのクエリで一つのデータ項目を要求し,後者は一つのクエリで複数のデータ項目を要求する.マルチアイテムクエリにおけるデータ項目はアクセス頻度が高いものをホットデータ,低いものをコールドデータに分けるが,コールドデータの受信には場合によっては長い時間が掛かり,クエリの生存時間が切れる可能性があることが問題点として挙げられる.そこで,本論文では,既存アプローチに新たな選択方法のアルゴリズムを組み込むことで,コールドデータを含むマルチアイテムクエリの効率的提供方法を提案する.シミュレーションにより,大幅にデットラインミス率を向上できることを明らかにした.