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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2014)シンポジウム

セッション 3E  分散処理
日時: 2014年7月9日(水) 17:20 - 19:00
部屋: 石庭・松風
座長: 廣森 聡仁 (大阪大学)

3E-1 (時間: 17:20 - 17:40)
題名動的適応可能な分散システムアーキテクチャ
著者*孫 静涛 (国立情報学研究所/総合研究大学院大学), 佐藤 一郎 (国立情報学研究所アーキテクチャ研究系/総合研究大学院大学)
Pagepp. 666 - 673
Keyword動的適応性, ミドルウェア, アーキテクチャレベル, モバイルエージェント, 分散システム
Abstract近年、インターネットの普及とIoT(Internet of Things)やM2M(Machine to Machine)技術の発展とともない、動的に適応性可能な分散システムの研究が大きく注目されている。しかし、既存の分散システムはいずれも固定なアーキテクチャであり、頻繁に変化しているシステムのニーズとアプリケーションのリクワイアメントに応じで、分散システムは最適に対応しているとは限らない。そこで、本提案手法の鍵となるアイディアは、コンピュータ上に実行中のソフトウェアの実行位置を別のコンピュータに移動することで、分散システムのアーキテクチャはClient/Server方式またはPeer-to-Peer方式に動的に変更させる点になる。本稿は本提案の分散システムアーキテクチャの設計方針と実装方式について、説明する。

3E-2 (時間: 17:40 - 18:00)
題名広域処理分散自動化におけるスケーラブルな外部環境変化への追従手法の提案
著者*福田 茂紀, 福井 誠之, 佐野 健, 久保田 真, 野村 佳秀, 佐々木 和雄, 阿比留 健一 (富士通研究所)
Pagepp. 674 - 682
KeywordM2M, IoT, スケーラビリティ
Abstractネットワークに接続する機器の増加に伴って,データセンター集約型システムの通信トラフィック増大やレスポンス低下の問題がより深刻になっているが,処理の一部をネットワーク上に分散させる試みは,アプリケーション開発者や運用者に対する設計と運用の負担が大きく,外部環境に対して適切な分散状態を維持するのが困難であった.本論文では,運用者が設定する簡単な分散ポリシーを元に,自動的に処理やデータを最適な場所に配備し,環境変化に応じてスケーラブルに再配備する分散サービス基盤を提案し,試作システムによって外部環境追従性能を評価して報告する.

3E-3 (時間: 18:00 - 18:20)
題名Bullet: 分散キーバリューストアにおける列指向クエリエンジン
著者西山 達也, *内山 寛之 (NTTソフトウェアイノベーションセンタ)
Pagepp. 683 - 691
Keyword分散キーバリューストア, 分散データベース, 列指向データベース, SQLクエリエンジン
Abstract分散キーバリューストアは、単純なデータ構造を持ち、高いスケーラビリティと信頼性を持つことから、Web サービスなどの様々なサービスでの利用が進んでいる。分散KVS に蓄積されたデータに対して分析を行う際、既存のインタラクティブクエリ基盤では応答性能が低く、分析用途での利用において課題となっている。 本論では、分散KVS 上のデータに対してSQL クエリを発行可能とし、高速な応答を実現する分散クエリエンジン(Bullet) を提案する。分散KVS が投入されたデータを列ごとに格納する点に着目し、列指向DB のクエリエンジンの持つ遅延実体化や軽量圧縮等の高速化技術を取り込みつつBullet の実装を行った。 性能測定実験において、Bullet が既存技術に比べて一桁高速であること示した。また、複数の圧縮方式についての測定結果を示し、圧縮なしの場合に比べて高速である ことを確認した。

3E-4 (時間: 18:20 - 18:40)
題名複数キーで関連付けられたデータの素集合生成における分散・並列処理の利用
著者*中里 克久 (富士通研究所)
Pagepp. 692 - 702
Keyword分散処理, MapReduce
AbstractMapReduceは,元々インターネット上のパブリック・サービスなどで蓄積される巨大なデータを対象とした処理を,分散・並列処理を用いて高速化するための技術である.しかし,企業内業務データなど,数GB〜数百MB程度のデータを対象にした場合でも,MapReduceによる処理が適する場合がある.本稿では,処理対象のデータの中で,何らかの関連のあるデータ群を重複が無いようにグループ化する,すなわち素集合を生成する処理を,MapReduceを用いて効率的に行う方式について述べる.また,本方式を実装したプログラムと,テストデータを用いた性能検証から,同環境における従来方式でのMapReduce適用の場合と比較し,約3.15倍の性能改善が確認できた.