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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2014)シンポジウム

セッション 4F  オープンソース・開発・支援
日時: 2014年7月10日(木) 8:30 - 10:10
部屋: 末広
座長: 米田 貴雄 (三菱電機)

4F-1 (時間: 8:30 - 8:50)
題名コミッター選出のためのプロジェクトメトリクスに関する定量的評価
著者*金城 清史, 山谷 陽亮, 大平 雅雄 (和歌山大学システム工学部)
Pagepp. 926 - 933
Keywordプロジェクトメトリクス, コミッター推薦, オープンソース
Abstract近年,オープンソースソフトウェア(OSS) 開発において重要な役割を担うコミッターに関する研究が盛んに行われている.従来研究は,OSS プロジェクトに参加する開発者個人の活動量を重視した分析を行っているのに対し,本研究では,OSS プロジェクトを取り巻く状況に着目して,コミッターへの昇格のしやすさを分析する.本論文では,OSS プロジェクトを取り巻く状況を「プロジェクトメトリクス」と呼び,その状況を数値化するための具体的な尺度を提案する.また,コミッター昇格のしやすさを「コミッター昇格率」として定義し,プロジェクトメトリクスとの関係を明らかにする.特に本論文では,長期間にわたって運営され,多数のコミッターが在籍している3 つの大規模OSS プロジェクト(Eclipse Platform, Mozilla Firefox, GCC) を対象に相関分析を行った結果について報告する.

4F-2 (時間: 8:50 - 9:10)
題名オープンソースプロジェクト特性に基づくバグ収束過程の理解
著者*坂口 英司 (奈良先端科学技術大学院大学), Ruangwan Shade (Kasetsart University), 伊原 彰紀 (奈良先端科学技術大学院大学), Rungsawang Arnon (Kasetsart University), 松本 健一 (奈良先端科学技術大学院大学)
Pagepp. 934 - 940
Keywordオープンソース, バグ修正曲線, プロジェクト理解
Abstract近年,多くのソフトウェア開発企業でオープンソースソフトウェア(OSS)を利用した事業が増加している.無償で利用でき,拡張性の高い OSS は,企業が求める開発コスト削減に大きく貢献している.しかしながら,OSS 開発の特徴から,リリース直後の OSS は高品質とは必ずしも言えず,企業はどのタイミングの OSS を利用すべきかの意思決定は容易ではない.本論文では,バグ修正曲線に基づき,OSS の品質が安定する時期(修正が完了するバグの増加が逓減する時期)を理解し,更に,バグの修正完了日が遅れる理由を分析する.GIMP プロジェクトを対象に分析を行った結果,バグ報告数にソフトウェアの安定期が関係していることが示唆された.

4F-3 (時間: 9:10 - 9:30)
題名プログラミング入門者向けのオンラインジャッジシステムによるプログラミング学習支援
著者*猪狩 知也, 速水 治夫 (神奈川工科大学)
Pagepp. 941 - 944
Keywordプログラミング学習, オンラインジャッジ, Webシステム, デバッガ
Abstract近年,インターネットやコンピュータの著しい発達によりプログラマーといった職業やスマートフォン用のアプリケーション,ゲーム制作,Webページ作成などを行う人が増えている.また,Code.org等の非営利団体がプログラミング学習を必修科目にする活動を行っており,プログラミング学習の必要性が高まっている.しかし一方で,興味を持ってプログラミングの学習を初めても挫折してしまう入門者が多い問題が挙げられる.これは,プログラミングを始めるまでに統合開発環境やコンパイラのダウンロード,インストール,設定などの下準備に相当な時間が必要であることや,バグが発生した際に入門者が一人でエラー文を読み,バグの原因を探しだし修正することが困難であることなど,様々な問題が存在する.問題を解決する着眼点として,プログラミングの敷居を下げて挫折するのを阻止する必要があると考えた.プログラミングの敷居を下げるために,プログラミング入門者向けのオンラインジャッジシステムを提案する.

4F-4 (時間: 9:30 - 9:50)
題名仮想物を残像として用いたMRマニュアルとそのオーサリングツール
著者*遠藤 裕之, 古矢 真之介 (慶應義塾大学大学院理工学研究科), 岡田 謙一 (慶應義塾大学理工学部情報工学科)
Pagepp. 945 - 951
KeywordMR, 学習支援, オーサリング支援
Abstract作業支援には同期作業支援と非同期作業支援の2種類がある.同期作業支援では指示者は作業者の作業中に適切なタイミングでコツを伝達することで効率よく作業を進める.しかし非同期作業支援においては,作業状態の定義付けが困難なため同期作業支援と同等の作業支援を行うことは難しかった.そこで本稿では仮想物を残像として用いたMR マニュアルとそのオーサリングツールを提案する.本提案では作業のコツの付加のタイミングを直感的に指示者(マニュアル作成者)に提示することで作業者へのコツの提示タイミングの選定を同期作業支援と同等に行えるようにする.実験の結果,本提案により既存のMR マニュアルよりも高いこと,および未習熟者でも残像を用いたマニュアルが作成可能であることを確認した.これらのことから本提案で,作業のコツの効率的な伝達を可能にするMRマニュアルとそれをオーサリングするツールを実現したといえる.