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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2014)シンポジウム

セッション 6B  モバイルネットワーク
日時: 2014年7月10日(木) 14:10 - 15:50
部屋: 安土・桃山
座長: 梶 克彦 (名古屋大学)

6B-1 (時間: 14:10 - 14:30)
題名NTMobileにおける仮想IPアドレスの管理方法の提案と評価
著者*加古 将規 (名城大学大学院理工学研究科), 鈴木 秀和 (名城大学理工学部情報工学科), 内藤 克浩 (愛知工業大学情報科学部), 渡邊 晃 (名城大学理工学部情報工学科)
Pagepp. 1307 - 1312
KeywordNTMobile, 移動透過性, NAT越え
Abstract我々は,IPv4/IPv6混在環境において通信接続性と移動透過性を同時に実現する技術としてNTMobile(Network Traversal with Mobility)を提案している. NTMobileでは,NTMobileの機能を実装した端末(NTM端末)に対して,実IPアドレスとして利用されないアドレス空間の中から一意な仮想IPアドレスを割り当てる必要がある. そのため,IPv4においては,十分な仮想IPv4アドレス数が確保できないという課題があった. また,IPv6においては,詳細な仮想IPアドレスの管理方法が未検討であった. そこで,本論文では仮想IPv4アドレスと仮想IPv6アドレスそれぞれにおいての管理手法について提案する.

6B-2 (時間: 14:30 - 14:50)
題名NTMobileにおける組み込み機器向けトラフィック削減手法の提案
著者*杉原 史人 (三重大学大学院工学研究科電気電子工学専攻), 内藤 克浩 (愛知工業大学情報科学部), 鈴木 秀和, 渡邊 晃 (名城大学理工学部), 森 香津夫, 小林 英雄 (三重大学大学院工学研究科電気電子工学専攻)
Pagepp. 1313 - 1318
Keywordネットワークアーキテクチャ, プッシュ通知, NAT越え, 組み込み, M2M
AbstractMachine to Machine (M2M) 通信は, 今後の情報化社会を支える通信サービスとして注目されている.IPv4アドレスの枯渇は知られており,今後はIPv4 とIPv6 アドレスがM2M デバイスの普及とともに利用されると考えられる.しかし,IPv4 とIPv6 間には互換性がないことから,M2M 通信における接続性と相互接続性は新たな課題になると考えられる.著者らはIPv4/IPv6 の混在環境において通信の接続性と移動透過性を同時に実現するNetwork Traversal with Mobility (NTMobile) を提案してきた.NTMobile では,IPv4 ネットワークで頻繁に利用されるNAT の変換表内にあるNTMobile の接続情報を維持するために,User Datagram Protocol (UDP) ベースのKeep-Alive パケットを定期的に送信していた.既存方式では,一定時間内にパケットの送信を繰り返す必要があるため,組み込み機器などで利用される安価な無線パケット通信サービスを利用することが困難である.そこで,本研究ではNTMobileにNTMobile Notification Service (NNS) を導入する.NNS では,NTMobile ノードとNNS Server 間でTransmission Control Protocol (TCP) のコネクションを構築することにより,端末とサーバー間の通信を維持する.また,TCP を用いた場合,NAT の変換表の接続情報の維持時間がUDP と比較して長いことから,Keep-Alive パケットの送信頻度を大幅に間引くことが可能となり,接続情報維持を目的としたトラヒックの大幅な削減が可能となる.本研究では,提案方式をLinux 上に実装を行うことで,提案方式の有効性を実験により評価を行う.

6B-3 (時間: 14:50 - 15:10)
題名ユーザ空間における移動透過通信技術の設計と実装
著者*鈴木 秀和 (名城大学理工学部), 内藤 克浩 (愛知工業大学情報科学部), 渡邊 晃 (名城大学理工学部)
Pagepp. 1319 - 1325
Keyword移動透過性, ID・Locator分離, トンネル通信, VPN
Abstract筆者らは複雑化したインターネット環境において,モバイルデバイスができる限りエンドツーエンドで接続でき,かつ移動透過性を実現するNTMobile(Network Traversal with Mobility)を提案してきた.これまでにLinux OSやスマートフォン用アプリなどへNTMobileを組み込むために,カーネルモジュール実装型,フレームワーク組込型,VpnService利用型の3つの実装モデルを設計してきた.今後のメンテナンスや仕様拡張,適用領域を拡大することを考えると,カーネル依存の実装は好ましく,またOSに依存しないモジュールはすべて共通化することが望ましい.本稿ではユーザ空間だけでNTMobileを実現できる実装モデルを設計する.従来のユーザ空間で実装されているモジュールを共通化するように再設計を行った.動作検証を行った結果,異なる実装モデルで実現された既存のモバイルデバイスとの間でトンネル構築のシグナリング処理が正常に完了することを確認した.

6B-4 (時間: 15:10 - 15:30)
題名LTE網におけるサービス単位のトラヒック収容技術の検討
著者*鈴木 理基, 渡里 雅史, 横田 英俊, 阿野 茂浩 (株式会社KDDI研究所)
Pagepp. 1326 - 1333
KeywordLTE, 輻輳制御, トラヒック収容効率化
Abstractモバイルネットワークにおいて,トラヒックデータ量は爆発的に増え続け,無線アクセスの圧迫につながっている.通信キャリアでは基地局増設によりトラヒックの収容能力を向上させる取組みを進めているが,設備増設には限界があり,収容能力を超えたトラヒックが流入した場合には,通信性能が低下する.したがって,流入トラヒックを調整し,抑制する取組みが急務となっている.既に3GPPでは,無線アクセスの混雑状況に応じた制御を実現するため,基地局から課金ポリシ制御機能(PCEF)への擬似的なベアラ(擬似ベアラ)を用いて輻輳を通知する仕組みを策定している.しかしながら,通知を受けたPCEFが実際に無線アクセスへの流入トラヒックを抑制する仕組みについては,検討が開始されたばかりで,十分な議論に至っていない.そこで本稿では,上記の擬似ベアラを利用し,無線アクセスの混雑状況に応じて,PCEFがトラヒックを抑制する方式を提案する.本提案方式は通信サービスによって要求性能が異なることを考慮し,サービス単位でトラヒックを抑制することを特徴とする.本稿は,コンピュータ・シミュレーションにより,収容効率の観点から,提案方式の有効性を示す.

6B-5 (時間: 15:30 - 15:50)
題名Proxy Mobile IPv6のネットワーク性能向上のための一検討
著者*渡辺 悠太 (公立はこだて未来大学大学院 システム情報科学研究科), 中村 嘉隆, 高橋 修 (公立はこだて未来大学 システム情報科学部)
Pagepp. 1334 - 1340
KeywordOpenFlow, Proxy Mobile IPv6, ハンドオーバ
Abstractハンドオーバ技術の一つに,移動端末の通信経路をネットワーク主体で切り替えるProxy Mobile IPv6がある.Proxy Mobile IPv6はMobile IPv6やSIPモビリティといったハンドオーバ技術とは異なり,移動端末に特別な機能を実装することが不要であるという特徴がある.しかし,ネットワークにハンドオーバのための機能を実装するため,移動端末の全ての通信がプロキシサーバを経由するという問題がある.そこで本稿では,Proxy Mobile IPv6の問題をネットワーク性能の低下原因であると仮定するし,Software Defined Networkを前提としたネットワークを構築するためにOpenFlowを用いることで,位置管理サーバを経由しない通信を検討し提案する.