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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2014)シンポジウム

セッション 6E  P2Pストリーミング
日時: 2014年7月10日(木) 14:10 - 15:50
部屋: 石庭・松風
座長: 佐藤 文明 (東邦大学)

6E-1 (時間: 14:10 - 14:30)
題名再生途切れ発生を抑制するためのP2Pライブストリーミングチャンク交換手法
著者*畠山 翔, 森 研太, 重野 寛 (慶應義塾大学大学院理工学研究科)
Pagepp. 1408 - 1413
KeywordP2P, ライブストリーミング, チャンクスケジューリング, 再生途切れ
AbstractP2P ライブストリーミング・サービスでは,参加ピアがチャンクに分割された動画データの拡散に協力するため,低コストで生中継の動画を配信することができる.動画配信サービスにおいて,再生途切れの発生はユーザの視聴時間の減少に繋がるため,再生途切れの少ない動画配信が求められている.P2Pライブストリーミング・システムにおいて,ピア間でどのようにチャンク交換を行うかを決定するチャンク選択手法が再生途切れの発生に大きく影響する.しかし,既存のチャンク選択手法では,直近の再生途切れの回避とシステム全体における希少性の高いチャンクの拡散を同時に考慮できていない.そこで本稿では,各ピアとシステム全体における再生途切れの発生率を低減するピア間のチャンク交換手法RIC(Rarity and Immediacy Based Chunk Scheduling Method for Peer-to-Peer Live Streaming) を提案する.RIC を用いたピア間での交換チャンク選択により,ピア自らの再生途切れの回避とシステム全体における希少チャンクの拡散を両立することができる.また,シミュレーションを行い,再生途切れの抑制という点から提案手法の有用性を既存手法との比較によって示す.

6E-2 (時間: 14:30 - 14:50)
題名分散ハッシュを用いたP2P型センサデータストリーム配信システムにおける耐障害性向上法の評価
著者川上 朋也 (神戸大学大学院工学研究科), 石 芳正, *義久 智樹 (大阪大学サイバーメディアセンター), 寺西 裕一 (独立行政法人情報通信研究機構/大阪大学サイバーメディアセンター)
Pagepp. 1414 - 1420
Keywordセンサデータ, データストリーム, 配信周期, 分散処理, P2P
Abstractライブカメラや環境モニタリングなど,センサデータを周期的に収集および配信するセンサデータストリーム配信が近年注目されている.センサデータストリーム配信では,配信先は用途によって異なる周期で要求することが考えられる.我々のグループでは,センサデータストリームを中継するコンピュータ(ノード)を分散ハッシュによって決定し,配信にかかる負荷を複数のノードで分散する負荷均等化手法を提案した.また,分散ハッシュを用いた手法では,Successor Listによって担当ノードを冗長化し,耐障害性の向上を検討している.本研究では,ノードが消失する環境において,分散ハッシュを用いた手法のSuccessor Listによる耐障害性について述べる.

6E-3 (時間: 14:50 - 15:10)
題名ホップ数を考慮した P2P 型センサデータストリーム配信システムの PIAX テストベッドを用いた評価
著者*石 芳正 (大阪大学), 川上 朋也 (神戸大学), 義久 智樹 (大阪大学), 寺西 裕一 (情報通信研究機構/大阪大学)
Pagepp. 1421 - 1427
Keywordセンサデータストリーム, Peer-to-Peer
Abstract我々の研究グループでは,センサの観測データが連続的に流れるセンサデータストリームの配信に際し,複数の配信先がそれぞれ異なる周期のセンサデータを要求する環境を想定し, P2P 技術により通信負荷を分散する P2P 型センサデータストリーム配信システムを研究してきた.従来,配信系全体の負荷の公平性のみに着目した LCF 法, LLF 法を提案してきたが,それらの手法では同一周期の配信先が多数存在する場合に配信時のホップ数が大きくなり,配信遅延が増大する問題があった.この問題に対し,昨年度に配信ホップ数に上限を設ける LLF-H 法を提案し,シミュレーション評価を行ってきた.本稿では, PIAX テストベッドを用いた実機環境での評価を行い,LLF-H 法に与える上限ホップ数に対する配信遅延・公平性の挙動を計測し,上限ホップ数を制限した場合であっても既存手法である LLF 法と比較して負荷の公平性を大きく損ねることなく配信遅延時間が抑制できることを確認した.